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2008年3月 5日 (水)

入江氏

入江君が来ました。

琉球大学に赴任した年の最初の学生さんの1人です。
昨年、母校の准教授となりました。

往々にして、大学教官(研究室の主宰者・この言い方は好きではありません)は、研究テーマを差配し、学生諸君はその範囲内で研究を展開することになる。
教官の意に沿う学生を恒常的に集め、研究の継続性を担保する。
しかし、このような教官本位の考え方は時代錯誤も甚だしい。

学生諸君の自主性・自立性を積極的に支え、それぞれを尊重する。
相互の自主的・自立的で自由闊達な交流を誘発する。
狭い専門知識にのめり込む以前に、ものごとを広く深く考え、いかなる問題にも答えることのできる柔軟な思考力を備えた人材を養成する。
これが、僕のやり方。

大学教官は、学生個々の関心や性向を的確に捉え、適切な案内ができる案内人でなければならない。
学生の描く見取り図の欠落を補い、省察力を深めるべく案内をする。
そのためには、教官自身が自らの現状に甘んずることなく問い続けなければならない。
山について知ろうとしない者は、登山案内人としては不適格だ。
だから、僕はいろんな山に登りたいと思う。

古い習わしを打破し、古典的・因習的な国立大学でどれだけ新しい活動が展開できるか。
入江君にも大きな期待を寄せています。

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