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2008年5月20日 (火)

La Résidentialisation

5/16の建築学会・住宅地計画小委員会では、椙山の阿部順子さん・阪大の伊丹康二さんがプレゼンされました。
特に興味深かったのが、阿部先生の"La Résidentialisation"。

フランスの団地更新の重要なキーワードとなっているようですが、団地更新手法としての有効性の検証はこれからのようです。
レジデンシャリザシオンとはいわゆる「邸宅化」のことで、対象とされているのは「社会住宅」。
単調で巨大スケールという好ましくない団地のイメージを、低スケールの人間的な豊かな空間へのイメージに変える、ということのようです。

住棟下部を再整備する。特に住棟をフェンスで囲んで空間の公私を明確にすることにより、犯罪やバンダリズムを抑制し、居住者の住棟への帰属意識を高めることが直接的な狙いです。

パリ19区のシテ・ミシュレの実例を拝見しました。
「邸宅化」という直訳には少々違和感があるけど、様々なデザインのフェンスは確かにユニークです。
デラコスタの緩衝帯も一緒だなあと思いつつ、住宅の改修・拡張とは連動していないなあとか、団地の改修はまず外観からってちょっと安易じゃないかなあ、とかも思いつつ、そういえばパリにはサルセル団地とかに代表されるように、住棟長さが200メートルなんてものもあったとかを思い出しながら見てました。

1960年代以降くらいのパリでは、ZUP(優先市街化区域)により大量の住宅が供給されたのだけど、こういった団地は、1980年代のイギリスと一緒で、社会的困窮層のゲットーとなったことはいうまでもありません。

建築ハードの改善の次はレジデンシャリザシオン。
ちょっと日本では適用しにくいのではないか、と思ったりするけど、大牟田とかで引用してみたい気もする。

阿部さんの岐阜郊外のゲートコミュニティの話も面白かったですね。
普通の住宅地の、周囲との差異化のためにゲートが使われる。
宣伝広告には、「限りない優越感をあなたに」とあるそうです!


二次会→三次会へと移動し、最後は大阪市大の横山先生・徳尾野さん・千葉大の森永さん・寺川さんと5人になり、帰りついたのは朝方でした。

翌日は浅草三社祭へ。

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