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2009年1月15日 (木)

チルドレンホスピタル

乱読癖は直せないもの。 4-5年前に購入してずっと放置していたチルドレンホスピタル(ペギー・アンダーソン著、宮坂勝之訳)を読む。

米国の小児医療の中心は小児病院と呼ばれる小児の総合医療施設である。日本のように大学病院や総合病院の小児科病棟が中心で行われるのとは対照的だ。日本では小児科とは小児内科のことを指すであろうが、日本以外では小児に関するあらゆる分野を意味している。小児医療に関するあらゆる専門家を揃え、集中医療関係の病床を備える。

集中治療とは、重症患者を専門領域の壁を越えて病院の総力をあげて治療に向かうことであり、重症患者の総合医療を実現する場である。そこで働く医師には、全診療科に対する総合的な知識とチーム医療の指導的能力も求められる。

この本のモデルとなったフィラデルフィア小児病院も、400床の半数が集中治療関係のようだ。マクドナルドハウスという患者家族滞在用の施設もある。これはボランティア組織で運営されているようだ。

どうも、日本の総合病院の空間をイメージしながら読んでしまうのだけど、マーク(患者であるこども)が新しい病室に移動し喜ぶときの記述は印象的だ。その病室にはただ美しい丘が見える大きな窓とベッドテーブルの上には電話があっただけだ。子供だまし(まさに)のキャラクターグッズはここにはない。

小児医療のレベルは、医療従事者が患者中心の考えを持ち、チーム医療の体制が整えられていることでで決まる。もちろん子どもや親の心を大事にすることなどはいうまでもない。

中でなにをやっているのか伺いしれようのない空間の再生産、単なるカタチ崩しによるビルディングタイプ解体気取り。いまたろいろ考えさせられる本であったのです。

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